日本列島縦断グルメ旅行

いつも突然とんでもないことを言い出す主人が正月に「日本列島縦断グルメ旅行」を計画してしまいました。

2万8千3百円(約240ユーロ)で1週間JR乗り放題のJapan Railway Passを購入、1月15日~21日湯布院を出発し行ける所まで行って戻ってくる6泊7日のグルメ旅です。

出発前に予め「駅から時刻表」ソフトで旅程を組み、7日間のJR指定席まで全て発券してもらう周到ぶり。

このJapan Railway Passは本来観光目的で訪れる外国人用に発行されるものですが、外国に永住権を持っている日本人にも適用されるので私たちにとって格安で旅行ができる優れものです。

旅程は、湯布院ー紀伊勝浦(和歌山)ー焼津(静岡)ー南三陸(宮城)ー浅虫温泉(青森)ー沼津(静岡)-宮島(広島)-湯布院

北海道まで行きたかったのですがどうしても外せない南三陸の被災地を組み入れると無理でした。

では、しばらくの間写真と共におつきあいください。

1日目ー紀伊勝浦(和歌山県)

由布院駅から大分駅経由で「ソニック16号」-小倉駅から「さくら546号」ー新大阪駅から「くろしお13号」本州最南端の串本駅を経由し、紀伊勝浦駅まで。

ホテル「万清楼」、まぐろづくしプランは「海鮮いろいろ付き出し」、「マグロ刺身」、「マグロたたき」、「マグロステーキ」、「マグロすき焼き」、「マグロカルパチョ」のまぐろづくしに「天ぷら盛合わせ」、「雑炊」などが出てきました。初日から腹いっぱい、体重増加が心配。

温泉は硫黄ナトリウムカルシウム塩化物温泉でちょっと塩辛い。ホテルから対岸の島にある姉妹ホテルの「ホテル浦島」まで船が出ており、その洞窟温泉はかなり塩辛かった。

勝浦は日本有数のマグロ基地で朝早くから魚網の手入れをする漁師さんや露店で紀州みかんを売るおばあさんにも出会いました。 評価は85点、温泉が塩辛いのと匂いがちょっと。 

2日目ー焼津(静岡県)

紀伊勝浦から「ワイドビュー南紀4号」-名古屋から「こだま654号」-静岡から普通で焼津駅まで。

紀伊半島の南端まで来てしまうと交通の便が悪く、名古屋まで出て次の新幹線に乗る時は既に13時。よって2日目は移動距離が取れずマグロ水揚げ港、焼津にて宿泊。

Wikipediaによるとマグロの水揚げ全国一とのことなのでさぞかし活気のある街を想像していましたが、焼津駅に降りてその静けさにびっくり。かつて賑やかだったと思われる駅前商店街は昼間にもかかわらず人っ子一人歩いてませんでした。駅から宿に着くまで10分ほど歩きましたが誰ともすれ違わず、宿の女将さんはこの商店街を「シャッター通り」と呼んでいました。

なぜここが全国水揚げ第一位なのかの理由を調べに漁港まで歩いたところ、漁港への大通りに出ると大きな冷凍トラックがひっきりなしに往来しており、港には巨大倉庫と遠洋漁船が接岸。港の近辺を歩いている多くは東南アジア系の乗組員。要するに遠洋漁業船の揚げ荷と全国各地への積み出しのための基地の役割に専業化され、船の船員も賃金の安い外国人を使っているため地元にお金が落ちない構図になってしまったようです。

唯一の救いは富士山がきれいに見えたことと金目鯛の煮付が美味しかった、主人はいつもの通り完食でした。

評価は50点、焼津の街は見るところが何もありませんでした。

3日目ー南三陸(宮城県)

焼津ー静岡から「ひかり510号」-東京駅から「はやて23号」-仙台駅からホテルシャトルバスで南三陸町。

今回の旅行はグルメ旅と表してますが、もう一つの大きな目的は東日本大震災最大の被災地の一つである南三陸町を訪れることです。「百聞は一見にしかず」のとおり、現地に近付くにつれて言葉も出ないほどの衝撃を受けました。震災の日からもう既に2年近くが経っているのにがれきの片付けも終わってませんでした。

ホテル手配の「語り部ツアー」に参加し、復興にはまだ程遠い南三陸町志津川地区をバスで回りました。ガイドの方は新築の家を流され仮設住宅で不自由な生活をしながらホテルで働いており、実際の被災体験を交え惨状を詳しく説明して下さるのでツアー中、涙が止まりませんでした。

志津川地区だけで2,000戸以上の全壊、流失(全家屋の75%)、800人以上の方が亡くなられたそうです。

でもホテルの従業員の方々の心のこもったおもてなしや地元でお見かけする方々の顔には復興への笑顔があり、必ずや「なつかしい未来」が訪れることと思います。

南三陸ホテル観洋、語り部バス付、アワビの踊り焼プラン、満足です完食でした。

評価は100点満点、志津川湾から昇る朝日を見ながらの露天風呂、リピーターになります。

4日目ー浅虫温泉(青森県)

南三陸町からバスで仙台駅まで、仙台駅から「はやて23号」-八戸駅から「青い森鉄道」-浅虫温泉。

浅虫温泉 椿館、棟方志功ゆかりの宿。400年ほど前の記録に椿の湯として津軽藩の地検帳に記録されていた宿だそうです。

棟方志功や太宰治の定宿、明治天皇も宿泊された由緒ある旅館ですが、その割に今回の旅行で費用が一番安かった。さらに、仲居さんたちが素朴で今回の旅の中で一番感じが良かった。

仙台からだんだん北上していくと氷の世界へと変わっていきます。八戸から「青い森鉄道」に乗換えた時は氷の電車かと思った。旅館の部屋から窓の外を見るとつららと雪が覆いかぶさっている。

こんな時には温泉が一番、雪の中の露天風呂も最高! 温まった後は館内に所狭しと飾られている棟方志功の作品や明治天皇がご使用された品々を拝観し、何かタイムスリップしたような感じがした。

珍しい海の幸「海鮮七珍鍋」や郷土色豊かな地元料理にキンキの煮付も美味、評価は勿論100点満点でした。

5日目ー沼津(静岡県)

浅虫温泉から青森、新青森経由で「はやて20号」-東京から「こだま659号」-三島で普通に乗換え沼津駅。

今旅行唯一の夕食無しビジネスホテル、沼津駅前ホテルMIWA。朝食の「アジの干物」が絶品らしい。

ホテル夕食無しは理由があり、目的は沼津港市場に隣接する飲食街の魚河岸丸天で海鮮丼を食べることです。

沼津港へは駅前バス停から沼津港行きの路線バスで約15分で着きます。飲食街には色んな種類の魚の干物を売っているお店が立ち並びますので見て回るだけでも楽しくなります。

しばらく歩くと目的地の魚河岸丸天食堂に到着、中は普通の食堂で沢山のメニューの札がぶら下がっていますが、迷わず「丸天丼」をオーダー。「丸天丼」と言っても天丼ではなく海鮮丼です。丸天食堂の代表的どんぶりだから「丸天丼」だそうです。付いてくる味噌汁も魚のアラをベースにした出汁が効いていて美味しい。

ホテルMIWAの朝食、期待通り「アジの干物」は美味しかったです。

評価は90点、10点マイナスは沼津港発の路線バス最終が7:11PMと早すぎるのが難点。

6日目ー宮島(広島県)

沼津ー三島から「ひかり465号」-新大阪から「さくら557号」-広島駅から普通に乗換え宮島口駅。

安芸グランドホテルは世界遺産宮島の対岸に位置し、ホテルの桟橋からナイトクルージングの船が出ます。

この時期客が少ないのか宮島口駅からのホテルシャトルバスは私ら二人を乗せるとすぐに出発。ホテルのロビーも客が居ない。部屋に入ると窓から宮島の鳥居が見え、ナイトクルージングまで待てずに再び貸切のシャトルバスで宮島口へ。宮島桟橋からJR西日本のフェリーで宮島へ。(JR Passは宮島へのフェリーも無料)

2時間ほど宮島を見て回り、名物「もみじ饅頭」を買って、ホテルでまた食べきれないほどの食事後、ナイトクルージングへ。昼間既に見て回っているので大体想像はつくけどライトアップしている鳥居や神社以外は何も見えない。しかも干潮時に当たったため船は鳥居の近くに行けず、遠くから眺めるだけだった。昼間見て回ってて良かった。 ちなみにホテルロビーにも小さな宮島が平清盛と一緒にありました。

評価は85点、ナイトクルージングが今一つだったけど世界遺産に敬意を表して。

7日目ー湯布院へ

宮島口駅-広島駅から「さくら545号」-小倉駅から「ソニック9号」-大分駅から普通に乗換え由布院駅。

1週間の日本縦断旅行はあっという間に終わりましたが、内容の濃い旅でした。特に東日本大震災の現場を訪問できたことが心の収穫でした。ただ、語り部ツアーのガイドさんもおっしゃってましたが、南三陸町志津川地区と同じような被災地は岩手、宮城、福島の各地に何十個所も点在しており、それぞれの地域でたくさんの方が大変な日々を送られているという現実を忘れないようにしなければならないと感じました。

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コメント: 1
  • #1

    T.Sayou (日曜日, 10 2月 2013 16:55)

    魚介類を中心とした美味しそうな料理あり、
    温泉あり、世界遺産観光ありの日本縦断
    グルメ旅行の、楽しそうな感じが伝わってきます。

    ただ、ハイライトは、やっぱり南三陸町の
    語り部ツア-ですね。
    今なお、家が流され仮設住宅暮らしの
    方々がいるのを忘れずに、支援のために
    自分達で出来る事をやっていかなければと、
    改めて感じました。

    今回は、太平洋沿いの列車の旅でしたが、
    北陸も良いエリアが多いので、機会があれば
    日本海沿いの旅も良いですよ。

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